無情な予鈴は聞こえないふり ( 酸性キャンディー ) |
「じゃあ先に行ってるわよ、」 「また後で!」 「うん、じゃあまた教室で会おうねー!」 お昼休み。あたしと花、京子ちゃん、ツナ、獄寺、そして山本の6人で屋上でお昼ご飯を食べるのがいつからか日課になった。あたしは一日の中でこの時間が一番好きだ、なぜなら愛しの山本と一緒にいられる時間だから。今日はツナが用事があるとかでお昼休みは一緒にご飯を食べれないと言って屋上には来なかった、獄寺はむろんツナについていったので彼もいない。さっきまで一緒にご飯を食べていた花と京子ちゃんも、委員会の仕事があるらしくていなくなってしまった。そして、山本はあたしの隣でいつも通りへらへらした笑顔 「みんな忙しいのなー」 「そっ そうだね」 やばいやばいやばい、何を話したらいいのかわかんないよ山本!あたしいったいどうしたらいい?山本はフェンスに手をかけてグラウンドを見下ろしている、ので、あたしも一緒にフェンスを掴んでグラウンドを見た。たけーよなぁ、なんて山本が言うものだから、あたしはまさか飛び降りる気でもあるんじゃないか(だって前例もある、)と思って慌てて、飛び降りちゃ駄目なんだからね、って注意した。そしたら山本は、んなことしねーよ、と笑った。 「でもさ、」 「え?」 山本は何か言おうとしたきり黙ってしまって、そのうちに予鈴が鳴る。グラウンドで遊んでいた生徒も、校舎に向かって歩いてくる。あたしもそろそろ教室戻んなきゃな、と思ってフェンスから放した手、を、山本が掴んだ、 「飛び降りてみたくねぇ?」 「…………ややや山本!何言ってるの、だめだよ!」 「ていうか、一緒に落ちてくれよ」 そう言って山本はあたしの手を引っ張ったので、あたしは思いっきりバランスを崩して山本のほうに傾く、てっきり倒れると思ったものの、あたしは倒れることはなく、代わりに山本があたしのくちびるに彼のそれを押し当てていた。同時に授業開始の合図を示す鐘が鳴っていた気がするけれど、そんなことは今の状況に於いてはもうどうでもいい 「お、落ちるって」 「んー?」 「つまり、」 山本は相変わらず笑っている。なんかよくわからないけど、あたしはこの時なぜか、青春って本当に青いものなんだなあ、と思った、 |
「 恋に とか、そういうこと な! 」 |