「手伝うってこと知ってる?知ってるよね?」 「知らねぇなぁ」 「今日の日直は誰でしょう」 「お前だろ」 「あなたもですよ、スペルビくん」 「…に言われなくても知ってるぜぇ」 窓側の席 グラウンドでサッカー部が汗を流して部活動中、手にはシャーペン、カチカチと芯を出してあそぶ、けれど、当番日誌はまだまっしろ 「日誌書いてくれない?」 「いやだ」 「嫌だ、とかじゃなくてさ、やんなきゃいけないんだもん」 「てめぇがやれよ」 目線がバチバチ、喧嘩したいわけじゃない、のに 「………………」 「チ、シャーペン貸せ」 「(あ、やってくれるんだ)どうぞ」 すらすらシャーペンを動かす手 指、綺麗だなあと凝視してたら、見んな、っていわれた(でも見ちゃうあたし、)あたしの名前と彼の名前が日誌に記される 「スクアーロ」 「何だ、」 「あたしのフルネーム知ってたのね」 「…うっせぇぞぉ」 ははは、なんて棒読みで笑ってるけど 残念ながらすごくうれしい、かもしれない 「終わった」 「あ、ありがと。じゃああたし先生のとこ出しに行くね」 「…おう、」 「バイバイ」 下校時間が終わる寸前、職員室に走るあたし 夕日はもうすぐ沈む。(あ、かばん持ってくればよかった)、急いで日誌を提出して、もういちど教室に戻った
17才 「あれ、スクアーロまだ帰ってなかったの?」 「早く仕度しろぉ、」 ( 窓を閉じる ) 20070822 お題 // by hazy |